実家暮らしをしていると、一人暮らしより生活費を抑えやすく、給料が手元に残りやすくなります。
そこで迷うのが、
「実家暮らしで余ったお金は、貯金しておくべきか、それとも投資に回すべきか」
という問題です。
結論からいえば、実家暮らしの20代は固定費を抑えやすく、長期で運用できる時間も確保しやすいため、投資を始めるには有利な環境だと思います。
ただし、実家暮らしだからといって、余ったお金をすべて投資すればよいわけではありません。
急な出費や、将来実家を出るときに必要なお金まで投資してしまうと、相場が下落しているタイミングで資産を売ることになる可能性があります。
僕自身は、新NISAが始まった学生時代から将来に向けて投資を始めました。
当時は月2万円の積立を基本にして、余裕がある月は追加で投資し、平均すると月4〜5万円ほどを投資していました。
社会人になってからは、最初に月10万円の積立を設定。その後も家計簿をつけながら収支を確認し、さらに余裕があると判断したため、現在は毎月12.3万円を自動で積み立てています。
もちろん、この金額が実家暮らしの20代全員に適しているわけではありません。
大切なのは、生活に必要なお金や将来使うお金を分けたうえで、本当に当面使わない余剰資金を見つけることです。
この記事では、実家暮らしの20代が投資を始めやすい理由、投資に回してよい余剰資金の考え方、投資を急がない方がよい人の特徴について、僕自身の例も交えながら考えます。
実家暮らしの20代は投資を始めやすい
実家暮らしの20代は、一人暮らしと比べて投資を始めやすい環境にあると考えています。
主な理由は、固定費を抑えやすいことと、長期で運用できる時間を確保しやすいことです。
もちろん、実家に入れている金額や家庭の状況は人によって違います。
それでも、現在の生活費を抑えられているのであれば、その期間を資産形成に活かすことは選択肢のひとつです。
一人暮らしより固定費を抑えやすい
実家暮らしの大きなメリットは、家賃や水道光熱費、食費などの負担を抑えやすいことです。
一人暮らしを始めると、家賃だけでなく、水道光熱費や食費、家具・家電の購入費なども必要になります。
実家暮らしでも家にお金を入れる場合や、スマホ代、交通費、交際費などの支出はあります。それでも、一人暮らしより毎月の固定費を抑えられる人は多いはずです。
固定費を抑えられれば、その分だけ貯金や投資に回せるお金を作りやすくなります。
僕自身も現在は実家暮らしで、家に毎月3万円を入れ、それを含めた生活費は月10万円ほどです。
この金額で生活できているからこそ、給料から毎月12.3万円を自動で積み立てられています。
ただし、「実家暮らしなら月10万円以上投資できる」という意味ではありません。
まずは自分の収入と支出を把握し、無理なく続けられる金額を考えることが重要です。
実家暮らしの実際の生活費や、どのくらい貯金・投資に回せるかについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。
→「実家暮らしの社会人はいくら貯金できる?新卒1年目の実例も公開」
20代は長期で運用できる時間を確保しやすい
20代から投資を始めるもうひとつのメリットは、長期で運用できる時間を確保しやすいことです。
金融庁も、資産形成の基本として「長期・積立・分散投資」を紹介しています。
長く投資を続ければ必ず利益が出るわけではありませんが、運用期間を長く取ることで、短期的な値動きだけに左右されにくい投資をしやすくなります。
僕は新NISAが始まった学生時代から投資を始めました。
当時は月2万円の積立を基本にして、余裕があるときにスポットで追加投資していました。月ごとの投資額を平均すると、4〜5万円ほどだったと思います。
学生時代は遊びなどにもお金を使っていたため、無理に投資だけを優先していたわけではありません。
それでも、少額から積立を始めたことで、値動きのある資産を持つことに慣れながら、長期投資を続ける土台を作れました。
現在は30歳までに投資資産1000万円を目標にしていますが、1000万円で投資をやめるつもりはありません。
1000万円は最終目標ではなく、資産形成を続けるうえで分かりやすい最初の指標です。
実家暮らしは貯めやすい一方、投資には消極的な傾向もある
実家暮らしでお金が残りやすくても、そのお金が自動的に資産形成へ回るわけではありません。
松井証券が2025年に、20〜29歳の社会人5年目以下を対象に行った調査では、回答者全体の54.4%が収入の20%以上を貯蓄に回していました。
一方、実家暮らしの約4割が投資に抵抗を持っているという結果も出ています。
実家暮らしはお金を貯めやすい環境である一方、生活費への危機感を持ちにくく、投資を始めるきっかけがない人もいるのかもしれません。
もちろん、貯金が悪いわけではありません。
急な出費や数年以内に使う予定のあるお金は、値下がりする可能性のある投資ではなく、現金で残しておく必要があります。
ただし、生活に必要な現金を確保してもなお余っているお金については、そのまま貯金し続けるだけでなく、将来に向けて投資に回すことも検討できます。
実家暮らしでも余ったお金を全部投資してはいけない
実家暮らしで生活費を抑えられていても、余ったお金をすべて投資に回すのはおすすめできません。
投資した資産は、必要なときに必ず増えているとは限らないからです。
投資に回すお金と現金で残すお金は、それぞれの目的に合わせて分ける必要があります。
急な出費に使える現金は必要
実家暮らしでも、急な出費がなくなるわけではありません。
病気やケガ、スマートフォンや家電の故障、冠婚葬祭など、予想していなかったタイミングでお金が必要になることがあります。
こうした出費に備えるお金まで投資すると、必要な現金を作るために投資資産を売却しなければならない可能性があります。
そのとき相場が下落していれば、損失が出ている状態で売ることになるかもしれません。
僕も手元の現金をすべて投資しているわけではありません。
具体的な現金資産は公開していませんが、急な出費に備える生活防衛資金は別に確保しています。
投資額を増やすことよりも、まずは普段の生活に影響を出さずに続けられる状態を作ることが大切です。
数年以内に使う予定のお金は投資と分ける
急な出費だけでなく、数年以内に使う可能性があるお金も投資とは分けて考える必要があります。
例えば、
- 一人暮らしを始めるための初期費用
- 車の購入費
- 引っ越し費用
- 結婚に関する費用
- 資格取得や転職に必要なお金
などです。
僕自身も、2〜3年後を目安に実家を出る可能性があります。
実家を出れば、引っ越しの初期費用が必要になるだけでなく、現在より毎月の生活費も増えると考えています。
そのため、今の生活だけを基準に「余っているから全部投資できる」と判断するつもりはありません。
近い将来に使う可能性があるお金は現金で残し、それとは別に、当面使う予定のないお金を投資に回しています。
投資したお金は一時的に大きく減ることもある
株式や投資信託には元本保証がありません。
積立投資を続けていても、相場の状況によっては投資資産が大きく減る時期があります。
僕が投資を始めてからも、関税をめぐる不安などによって相場が下落する場面がありました。
それでも、積立をやめたり、怖くなって売ったりすることはありませんでした。
投資を始める前から、長期で運用するなら途中で下落する時期があるのは当然だと学んでいたためです。
僕にとって投資資産1000万円は最終的なゴールではありません。
1000万円を達成した後も長期投資を続けるつもりなので、短期的な値動きだけで判断しないようにしています。
一方で、投資を始めたばかりの人が、実際に資産が減っても同じように受け止められるとは限りません。
値下がりに慣れていない人は、まず少額から始めるのも選択肢です。
実際に値動きを経験しながら、自分がどの程度の下落まで受け入れられるのかを確認してから、投資額を増やしても遅くありません。
投資に回せる余剰資金を3段階で考える
では、実家暮らしで手元に残ったお金のうち、どこまでを投資に回してよいのでしょうか。
「手取りの○%を投資する」と一律に決める方法もありますが、必要な生活費や今後の予定は人によって異なります。
そのため、割合だけで決めるのではなく、次の3段階で考えるのが現実的です。
① 毎月の収入と支出を把握する
最初に必要なのは、毎月いくら入ってきて、何にいくら使っているのかを把握することです。
実家暮らしでも、家に入れるお金、スマホ代、交通費、交際費、趣味や旅行などの支出があります。
これらを把握しないまま投資額を決めると、実際には余裕がないのに大きな金額を設定してしまう可能性があります。
僕は家計簿をつけて、毎月の収入と支出を確認しています。
社会人になった当初は、まず毎月10万円の自動積立を設定しました。
その後、実際に生活してみて、毎月の収支にまだ余裕があると分かったため、積立額を2.3万円増やして現在の12.3万円にしています。
最初から限界まで投資するのではなく、実際の支出を確認してから増やした形です。
② 急な出費と近い将来に使うお金を現金で確保する
毎月の収支を把握したら、次に現金で残しておくお金を考えます。
まず必要なのが、急な出費に対応するためのお金です。
さらに、引っ越しや車の購入など、数年以内に使う可能性が高いお金も投資とは分けておきます。
現金をいくら残すべきかは、毎月の生活費や家族の状況、今後の予定によって変わります。
重要なのは、投資資産が値下がりしているときでも、生活に必要なお金を確保できる状態を作っておくことです。
③ 当面使う予定のないお金を投資に回す
毎月の生活費と、現金で確保しておくお金を分けたうえで、それでも残るお金が投資を検討できる余剰資金です。
僕のお金の流れは、おおよそ次のようになっています。
- 給料から毎月12.3万円を自動で積み立てる
- 月10万円ほどで生活する
- 急な出費や将来に備える現金を確保する
- それでも余っていると感じたお金があれば追加投資する
現在は普段の支出の大半を給料でまかなえているため、現金にも十分な余裕があると判断したときは、スポットで追加投資することがあります。
ただし、追加投資について「毎月必ず○万円」といった厳密なルールは設けていません。
基本となる12.3万円は自動積立で継続し、それ以上の投資はその時点の収支や今後の支出予定を見て判断しています。
僕にとって余剰資金とは、単に銀行口座に残っているお金ではありません。
生活費や近い将来に使うお金を確保し、貯金として残したい金額も考えたうえで、さらに残っているお金です。
実家暮らしでも投資を急がない方がよい人
実家暮らしで生活費を抑えられていても、全員がすぐに大きな金額を投資すべきとは限りません。
次のような状況に当てはまる場合は、投資額を増やす前に家計や考え方を整える必要があります。
毎月の収支を把握していない人
毎月何にいくら使っているのか分からなければ、投資に回せる余剰資金も正確には判断できません。
まずは家計簿などで収支を確認し、毎月安定して残せる金額を把握することが先です。
数ヶ月分の支出を確認してから、その範囲内で積立額を決める方が続けやすくなります。
金利の高い借入がある人
リボ払いやカードローンなど、金利の高い借入がある場合は、投資より返済を優先した方がよいと考えています。
投資の利益は確定していませんが、借入の利息は返済するまで発生します。
投資で増やそうとしながら高い利息を払い続けるより、まず借入を整理して家計を安定させることが重要です。
近いうちに大きな支出を予定している人
一人暮らし、車の購入、引っ越しなどが近づいている場合、そのためのお金を投資に回すのは慎重に考える必要があります。
投資した直後に相場が下落し、必要な時期までに価格が戻らない可能性もあるからです。
特に使う時期と金額がある程度決まっているお金は、投資とは分けて現金で確保しておく方が安全です。
収入が不安定な人や、今後収入が減る可能性がある人も、まずは手元の現金を厚めに残す必要があります。
長期投資の考え方が身についていない人
投資を始める前に理解しておきたいのが、資産価格は上がり続けるわけではないということです。
長期で投資を続ける間には、資産が大きく減る時期もあると考えておく必要があります。
下落する可能性を知らないまま大きな金額を投資すると、実際に資産が減ったときに怖くなり、安い価格で売って投資をやめてしまうかもしれません。
将来の資産形成のために始めた投資を、最初の下落でやめてしまっては本来の目的から外れてしまいます。
まだ値動きに慣れていない人は、最初から大きな金額を投資する必要はありません。
まずは少額から始め、相場が上がる時期と下がる時期の両方を経験しながら、自分がどの程度の値動きまで受け入れられるのか確認する方法もあります。
投資によって現在の生活が苦しくなる人
将来に向けた投資は大切ですが、現在の生活を犠牲にしてまで投資額を増やす必要はないと思っています。
僕自身も、学生時代は遊びにお金を使っていましたし、現在も友人と過ごす時間などにはしっかりお金を使っています。
将来だけを優先して今の生活を楽しめなくなったり、投資を続けることが負担になったりすれば、長期間継続するのは難しくなります。
投資額は周囲と比べて決めるものではありません。
実家暮らしであっても、自分の生活と将来の両方を大切にできる範囲で設定することが重要です。
25歳・実家暮らしの僕が毎月12.3万円を投資している理由
ここからは、僕自身が毎月12.3万円を投資している理由を紹介します。
現在の状況は以下の通りです。
| 項目 | 現在の状況 |
| 年齢 | 25歳 |
| 属性 | 新卒・社会人1年目 |
| 居住形態 | 実家暮らし |
| 手取り | 月約26万円 |
| 生活費 | 月約10万円 |
| 基本投資額 | 月12.3万円 |
| 投資先 | S&P500・NASDAQ100 |
| 投資資産 | 約260万円 |
| 目標 | 30歳までに投資資産1000万円 |
毎月12.3万円という金額は、実家暮らしの人におすすめする基準ではありません。
僕が実際の収入と支出を確認した結果、現在の生活を大切にしながら継続できると判断した金額です。
社会人になった当初は月10万円から始めた
社会人になって収入が安定してからは、まずS&P500への積立を月10万円に増やしました。
最初から月12.3万円と決めていたわけではありません。
月10万円を積み立てながら家計簿で実際の生活費を確認し、現在の生活に影響を出さず、現金も確保できると判断してから増額しました。
余裕があった2.3万円をサテライト枠にした
積立を月10万円にした後も毎月のお金に余裕があったため、さらに2.3万円を追加しました。
2.3万円という金額に、細かな計算による特別な根拠があるわけではありません。
実際に生活してみて、この金額なら追加しても問題ないと感じたためです。
現在の内訳は、
- S&P500:月10万円
- NASDAQ100:月2.3万円
です。
S&P500への10万円を資産形成の中心とし、完全な余剰資金だと考えた2.3万円は、値動きや集中度がより高いNASDAQ100へ投資しています。
僕の中では、S&P500がコア、NASDAQ100がサテライトという位置づけです。
NASDAQ100は大きなリターンを期待できる可能性がある一方、S&P500より特定の業種や企業への偏りが大きく、値動きも大きくなる可能性があります。
そのため、誰にでも同じ組み合わせをすすめるつもりはありません。
僕自身がリスクを理解したうえで、余剰資金の範囲内で取っている選択です。
12.3万円は上限ではなく基本ライン
僕にとって毎月12.3万円は、「これ以上投資しない」という上限ではなく、給料から自動で積み立てる基本ラインです。
生活費や将来に備える現金を確保したうえで、さらに余っていると感じたお金があれば、スポットで追加投資することもあります。
ただし、追加投資を優先して現金を減らしすぎることは避けています。
今後、生活環境や収入が変わり、月12.3万円を続けることで普段の生活に影響が出るようになれば、投資額は減らすつもりです。
積立額を守ることよりも、無理なく長期投資を続けることを優先します。
現在の投資資産や、1000万円を目指すためのルールについては、こちらの記事で詳しく公開しています。
→「25歳新卒会社員が資産1000万円を目指す|現在地・投資額・ルールを公開」
実家暮らしの期間を「何となく使えるお金が多い時期」で終わらせない
実家暮らしは、一人暮らしと比べて自由に使えるお金が多くなりやすい環境です。
ただし、手元に残ったお金の使い道を決めていなければ、何となく消費して終わってしまう可能性もあります。
実家暮らしで残ったお金の使い道は、投資だけではありません。
- 急な出費や将来に備えて貯金する
- 長期的な資産形成のために投資する
- 資格や勉強などの自己投資に使う
- 友人との時間や趣味など、現在の生活に使う
どれも間違った使い方ではないと思います。
僕自身も、すべてのお金を将来のために残しているわけではありません。
学生時代は遊びにもお金を使っていましたし、現在も友人との時間など、自分にとって大切なことにはしっかり使っています。
そのうえで、使う予定のないお金まで何となく消費するのではなく、余剰資金は投資に回す方針です。
現在は実家暮らしによって生活費を抑えられていますが、この環境がずっと続くわけではありません。
だからこそ、固定費を抑えられる今のうちに、無理のない範囲で投資資産を積み上げておきたいと考えています。
一方で、今しかできない経験をすべて我慢して投資するつもりもありません。
将来の資産形成と現在の生活を両立しながら、残ったお金の使い道を自分で決める。
実家暮らしの強みは、単にお金が余りやすいことではなく、貯金・投資・自己投資・現在の楽しみにどう配分するかを選びやすいことだと思います。
まとめ|実家暮らしは投資を始めやすいが、全額投資が正解ではない
実家暮らしの20代は、一人暮らしより固定費を抑えやすく、長期で運用できる時間も確保しやすいため、投資を始めやすい環境にあります。
ただし、実家暮らしで余ったお金をすべて投資すればよいわけではありません。
今回のポイントをまとめると、
- 最初に毎月の収入と支出を把握する
- 急な出費に備える現金を確保する
- 数年以内に使う予定のお金は投資と分ける
- 当面使う予定のない余剰資金から投資する
- 値下がりに慣れていない人は少額から始める
- 現在の生活に影響が出ない範囲で続ける
ということです。
僕自身は現在、毎月12.3万円を自動で積み立てています。
ただし、この金額が誰にとっても正解というわけではありません。
社会人になった当初は月10万円から始め、家計簿で実際の収支を確認したうえで、余裕があると判断した2.3万円を追加しました。
投資資産1000万円を目標にしていますが、1000万円は最終的なゴールではありません。
長期的な資産形成を続けるうえでの、最初の分かりやすい指標です。
実家暮らしの強みは、自由に使えるお金を、貯金・投資・自己投資・現在の楽しみにどう配分するかを選びやすいことだと思います。
自分に必要な現金と使いたいお金を確保したうえで、当面使う予定のない余剰資金があるなら、少額から長期投資を始めることを検討してもよいでしょう。



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